2010年5月16日 (日)

大桟橋

素人の私が言うのはおこがましいのを承知で言わせてもらえば、写真の上達の秘訣は、気に入った場所を見つけたら、そこに何度も何度も撮りに行くことだと思う。

私の場合は、それは間違いなく大桟橋だ。何故こうも飽きずに通うことが出来るのか、自分でも不思議なほどである。

何度も通っていると、すごく綺麗な夕日が見れる日もあれば、曇ってて全然冴えない日もある。早々に引き上げてきたこともある。

でもそうしているうちに気づくのである。一度として同じ風景はないと言うことに。

時間が違う。天気が違う。季節によって太陽の位置が違う。そこにいる人が違う。同じ場所でもシャッターを押す、その瞬間と同じ瞬間は二度とないのだ。

だから写真は一期一会。そう分かると、素晴らしい瞬間に出会えたことに心から幸せを感じることが出来るのである。

 

contrast
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今度は雨の日にここを訪れてみたいと思っている。この梅雨の間に是非。

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2010年5月 3日 (月)

最近の写真の晒し方

以前はフォト蔵だけが写真を公開する方法で、そこで一度に2~3枚ずつ良いと思った写真を公開していた。

ツイッターをやり始めてからは、Hootsuiteと言うツイッタークライアントにあるRSSを取得して自動的につぶやいてくれる機能をって、フォト蔵にアップされた時に自動的にそれをツイッターで告知されるようにした。

するとフォト蔵だけの時に比べて、明らかに写真の閲覧数が増えた。ツイッターのつぶやきを見てフォト蔵の私の写真を見に来てくれる人が出てきたのだ。

時期は前後するが、Flickrにも試しに過去の気に入った写真をアップしてみた。Flickrはフォト蔵と違って全世界規模なので、どこか他の国の人から英語、時には理解不能な言語でコメントをもらうようになった。

そうなるとFlickrも面白くなったので、両方にアップするようにした。

幸い、写真整理、調整のために使っているGoogle PICASAにはフォト蔵やFlickrに一発でアップ出来るプラグインが用意されていたので、さほど面倒な作業ではなかった。

ところがしばらくして、何枚も同時にアップしても発行されるRSSは1つだけでなので、同時アップした場合その最後の写真しか見てもらえないと言うことに気付いた。

と言うことで、最近は1日に1枚ずつ、同じ写真をフォト蔵とFlickrにアップすることに決めた次第である。

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2010年5月 2日 (日)

佐藤哲三「みぞれ」

八幡宮の参道をちょっと横にそれた所にある神奈川県立近代美術館は、連休の賑わいとは無縁の静かな空間だ。

鎌倉の予想以上の人混みに辟易した私は、「日本近代洋画の名品選」と題された催しの看板に惹かれて、ちょっと寄ってみたのである。

そこで見た絵の中で一番インパクトがあったのがこの絵。

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佐藤哲三と言う画家は初めて知った。この絵が日本の油絵の中でも傑作の一つと数えられていることももちろん知らなかった。

この絵は死ぬ1年前に病魔と闘いながら書いたとのこと。全体の重苦しさ、辛さはそこから来ているのだろう。寒々とした雰囲気や暗い色合いには、「みぞれ」の題は相応しく思えた。

この絵の特徴は添景としての人物だろう。 水田だろうか?曇った空を映した水の間のあぜ道を人々が急ぐように歩いている。

私が人を入れた風景を撮るのが好きなのと似ていると思った。こんなすごい絵と素人写真を一緒にするのはおこがまし過ぎるのは承知で言えば、私が撮る、人を入れた写真の良さと言うか、意味をこの絵が教えてくれた気がする。

人を入れることで風景がドラマになるのだ。

久しぶりに鎌倉で写真を撮ろうと思って家を出たのだが、今日は何をどう撮ろうかと言うことがはっきりしていなかった。そのもやもやを察知した趣味の守護霊が、今日はこの美術館に私を導いてくれたような気がした。

参考リンク:EPSON~美の巨人たち~佐藤哲三「みぞれ」

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2010年2月 8日 (月)

Tumblrについて

リンク:Tumblr

かつてこれほどこの老体に分かりにくかったネットサービスは無い。

Tumblrを説明するとすれば、これには2つの面があると言えるだろう。

1つはどこかのサイトにあった写真やテキストやビデオなどを貼りつけて、自分の好きなスクラップブックが出来ると言う面。

もう1つは、他の気に入ったTumblrがあったら、Twitterのようにそれをフォローすることが出来ること。フォローするとその人のTumblrが自分のダッシュボードと呼ばれる画面に流れるようになる。Twitterのタイムラインと同じだ。

たくさんの人をフォローすると、さながらマルチメディアで超高密度のTwitterのようなことになり、そのタイムラインはまさしく自分の好きな情報の激流の中にいるような状態になるであろう。

まずは私は表側のスクラップブックに、Flickrの中からお気に入りの写真を貼りつけて並べてみた。そうするとクールなデザインの台紙に素晴らしい写真の並んだ、自分には不似合いな程のギャラリーが簡単に出来上がる。

リンク:t0d0 (←これが私のTumblrである。)

初めのうち、これは確かに作ったり見たりすることは楽しいのだが、自分で撮った写真ならいざ知らず、人様の写真を無断で借りてきてギャラリーを作って公開する。と言う行為に最初は何か違和感を感じた。

しかしその行為をしばらく続けているうちに、私のギャラリーに並んだ他人の作品群は、ある傾向を持ち始めていることに気づいて来た。

その傾向とは、「自分の撮る写真に似ている」と言うことである。

つまり、人様の写真を並べると言うことであっても、自分が好きな写真であれば、それは私の内面を表しているのだ。

そう気づいてから、私の気に入った写真をどんどんアップロードしている。それがまた面白い。

面白いと感じられるのは、自分の内面を表に出すと言う行為の一つだからだろうと思っている。

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2010年1月27日 (水)

PENTAXの突き抜け感が心地よい

リンク:PENTAXが一眼レフ風デジカメ I-10 など発表、100ドル製品も(追記:国内発表)

一眼レフで100色展開とかコレジャナイロボモデルとか、どうしちゃったのかと一瞬心配になるほど独自のデザイン路線を突き進んでいた最近のPENTAXが発表したコンデジ新シリーズが、これまた斬新。

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いいんじゃないだろうか。これ。昔風の言い方で言えばバタ臭いと言うのだろうか、割り切ったデザインと大胆なツートンカラーが素晴らしい。

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これは一眼レフかと一瞬思うが、コンデジである。「一眼レフ風味コンデジ」なんだと。

マイクロフォーサーズ陣営を中心に、従来の一眼レフがどんどんミラーレスになってコンデジ側に近づいてきている趨勢において、敢えてコンデジの側からこの攻撃!w

各社戦々恐々とした今のデジカメ業界において、こんな遊び心を実際に製品に反映させられる企業が今の日本にあることが実にうれしく、また頼もしいと思った。

是非PENTAXにはこの路線を貫き通して欲しいと思った。

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2010年1月23日 (土)

FlickrとGoogle ReaderとTumblr

以前からFlickrにアップされている世界の素晴らしい写真を見るのが好きであった。ランダムに素晴らしい写真を見ることが出来るのが、

リンク:Flickr- Explore interesting photos from the last 7 days in FlickrLand...

と言うページだ。ここで気に入った写真があったら、★をつけるとともに、その作者のPhoto StreamをGoogle Readerに登録する。するとお気に入りの作者の新作がいつも自動的にチェック出来る。

そんな風に世界中の作者の写真を楽しんでいたところ、Tumblrと言うサービスを知った。

これは自分の気に入った写真や引用文、リンクなどを実に簡単にスクラップして行けるサービスだ。人のTumblrに気に入ったコンテンツがあったら、簡単な操作で自分のTumblrにもそれを貼り付けることが出来る。

そこで私は、以前からコレクションしていたFlickrのお気に入り写真をTumblrに貼り付けてみた。今までもFlickrのYour Favoritesのページに行けば、お気に入りの写真家の写真集を見て楽しむことは、自分一人では出来た訳だが、それを洒落た体裁のサイトとして表に公開したと言うことだ。

私のTumblrはこちら。→ t0d0

そのことに何の意味があるのかは、正直理屈では上手く私も説明出来ない。と思っていたら、先にTumblrを楽しんでいた息子のブログにこんな言葉があった。

「何を思うか」が自分を表すと思うならば、ブログやTwitterで発言すればいい。 Tumblrでは「何を好きか」が自分を表す。
タンブラーの感性・コラージュ化の果て – SPOTWRITE

なるほど。自分が作ったものでなくても、自分が好きなものを並べることも自分の表現の一つなのかも知れない。

だから、この行為は楽しいのだろうと思った。

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2010年1月 5日 (火)

今年の富士

今年の富士
今年の富士 posted by (C)TODO

お正月なので、去年と同じ1月2日に同じ稲村ガ崎に行って同じ富士山の写真を撮った。

撮っている時には何をまた同じことをやっているのか、自分も酔狂なものだと思いながら撮っていたのであるが、フォト蔵にアップしてから頂いたコメントなどを見ていたら、こういうのも悪くないと思えた。

怒涛のようにあらゆるものが諸行無常に変化していくこの時代。

変わらないでいてもらいたいものもある。富士の美しい姿や鎌倉の海の姿もその一つだ。

しかし、稲村ヶ崎のこの浜は、数年後には浸食で砂が流出し、無くなる運命にあると聞く。

それならば、毎年正月にここに通って、定点観測のようにこの浜と富士の姿を撮り続けよう。

富士はそう簡単に無くならないだろうが、砂浜が無くなるか、私が無くなるか、どちらかまで撮り続けたいと思った。

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2009年12月30日 (水)

恒例今年撮った写真ベスト10

昨年もこの日にやったのであるが、この1年間にフォト蔵にアップした写真の中で見た人からたくさんの方からお気に入りの☆をつけて頂いた写真ベスト10をやってみようと思う。全10枚と言うことなので、最後の方は同点が何枚かあったのだが、自分の好きな方とした。

第1位 ☆16個

タイムトンネル
タイムトンネル posted by (C)TODO

今年は横浜開港150周年だった。それに合わせてオープンした象の鼻パークにある、旧臨港線のガード下での写真。新しい公園を貫く遺構の夜の雰囲気が過去につながるタイムトンネルだと思った。

第2位 ☆15個

過去と未来の夢
過去と未来の夢 posted by (C)TODO

上と同じ日に撮った1枚。今はここのドミノもすっかり有名になって多くの人がもっと良い写真を撮っているので申し訳ないような1枚。この場所は魅力的なのだが構図取りがなかなか難しい。

第3位 ☆14個

きらきらの海
きらきらの海 posted by (C)TODO

稲村ヶ崎付近で朝の海を撮った。何気ない写真なのだが、キラキラの輝きと波の跡がとても美しいとご評価を頂いた。朝の海の輝きは好きである。

第4位 ☆13個

三塔物語
三塔物語 posted by (C)TODO

みなとみらい線日本大通り駅でのショット。これも何気なく撮ったのが思いのほかご評価頂いた1枚。スクエアフォーマットにはまって正方形にトリミングした写真が多かったがそれが成功したと言えようか。

第5位 ☆12個

小さなふたり
小さなふたり posted by (C)TODO

出張のついでに小樽「雪あかりの路」に行った時の1枚。ロマンチックで幻想的な催しだったが、とにかく寒かった! でも今年の良い思い出の一つである。

第6位 ☆12個

稲村ヶ崎海岸
稲村ヶ崎海岸 posted by (C)TODO

正月だったので、まるで演歌のようにベタな写真を敢えて撮ってみた1枚。思いがけず☆を頂けたのはお正月のご祝儀もあろうかと思っている。

第7位 ☆11個

長い影
長い影 posted by (C)TODO

今年も好きな大桟橋でたくさん写真を撮った。この写真を改めて見ると、同じ場所で同じような時間に写真を撮っても、こんなに綺麗な輝きや影になったことは無かった。写真と言うものの一期一会の魅力を改めて感じる。

第8位 ☆11個

子供の頃は・・・
子供の頃は・・・ posted by (C)TODO

休日出勤の帰り、会社の近くの多摩川土手で。カメラをほとんど地面に置いて撮った。タイトルから子供の頃に外で遊んでいた時の視点を思い出して頂けた方が多かった。私も好きな1枚である。

第9位 ☆10個

銀色の瞬間
銀色の瞬間 posted by (C)TODO

稲村ヶ崎付近にて。波が引いていく一瞬の刹那、極上の輝きが出現する。それを捉えてみたかったのだが、シャッタースピードの設定がどれくらいが良いのか分からず結構苦心した。

第10位 ☆10個

海岸物語6
海岸物語6 posted by (C)TODO

これも稲村ヶ崎にて。この付近の砂浜は浸食によって数年後には消失すると言われている。それまでにこれからも何度も通ってもっと美しい写真を撮っていきたいと思っている。

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2009年12月26日 (土)

新しい世界が広がった年

今年と言う年はどんな年だったろうと振り返った時、今年は「新しい世界に触れた」と言える体験を3つしたと思った。

1番目は、一眼カメラを買ったこと。
(リンク:ぽちっとした- weekend_todo

パナソニックのDMC-G1は本当に良いカメラだった。性能が最高と言うよりも自分に相性が良かったと言う感じがする。使い込むほどに未だに飽きたらなくなることがない。相当長くつきあっていける良いモノに巡りあった気がしている。

2番目はツイッターをやり始めたこと。
(リンク:ヒゥィッヒヒー導入の件- weekend_todo

日本では今年1年でツイッターのユーザ数が10倍になったらしいが、そのひとりに加わっていた訳だ。シンプルなサービスなのだが、ツイッターの新しさは、インターネットでの個人の情報発信の手段の歴史、つまりホームページ、ブログ、そして今、ツイッターと言える変革だろう。

数年来毎日欠かさず書いてきたブログを、ツイッターでのつぶやきでその目的をかなり肩代わり出来るようになったため、ブログを毎日書かなくなったことも大きな変化だと言える。

3番目は、iPhoneである。
(リンク:iPhoneやっぱり凄い- weekend_todo

「クリティカル・マスを超えた」、「クラウドを信じて、iPhone にすべてをいれよう」と言うこの記事に背中を突き飛ばされて飛び降りた。

リンク:あなたが iPhone を買ってしまってもいい4つの理由 - Lifehacking.jp

そしたら、そこには想像以上の新しい世界が開かれていた。

この世に偶然はない。

今年がひとつのターニングポイントになって、何年かして「あの時にこれをしてないかったら今の自分はない。」と思う時が来る。と思えるほどの重要で、そしてこれが大事なのだが、それが決していやな変化ではなくて、ワクワクしてこれからが楽しみに思える変化が今年はあったのだ。

来年、どんなワクワクするような変化が目の前に現れてくるのだろう。楽しみなのである。

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2009年11月29日 (日)

写真は「点」を撮る

目から鱗が落ちた記事があった。

リンク:ASCII.jp:写真の点と枠|塩澤一洋の“Creating Reed, Creative Mass.──大公開時代の羅針盤”

この記事の中で筆者は、写真は全て「点」で撮っている。と言う。

結果としてある範囲の風景が切り取られるのだが、最初から切り取る枠を決めるのではなく、あくまでも撮るのは「点」であり、切り取られるのは結果に過ぎないと言うのだ。

このように撮りたい「点」を決め、接近して確実にピントを合わせて撮った写真には、撮影意図が明確に表れる。その「点」が写真表現の要(かなめ)になるからだ。私の写真はすべてこの思考プロセスで撮影している。1枚1枚、「点」の確定、接近、フォーカスという3段階を繰り返しながら、表現したい絵を描くのだ。

これを読んで、私の写真の撮り方の欠点を教えられた気がした。

「写真は切り取りだ」など頭では分かったつもりでいたが、まだまだ漠然と枠を決めてそこに「収める」ことをやっていた。ズームをむやみに多用し、本当に撮るべきものに丁寧にフォーカスを合わせると言うことを怠っていた。

だから主題のはっきりしない力のない写真ばかりになってしまっていたのだ。

今度は「点」を意識したいと思う。どこにフォーカスを合わせるべきかをもっと考え、そこにさらに一歩近づき、出来るだけピンポイントで丁寧に合わせる。

それをやってみようと思った。

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