「日本人はるかな旅」
Nifty ShowTimeの中の「NHKセレクション」でやっていた全5集を、この連休で何度かに分けて見た。
NHKスペシャルのこのシリーズは毎度のことながら最高だった。
日本人のルーツはシベリヤ・バイカル湖周辺からマンモスを追ってやってきた北の人種である。
氷河期が終わると大陸と陸続きであった日本は海面の上昇により島となる。それまで太平洋側だけを洗っていた黒潮は日本海側にも流れるようになり、それが気候を変えて日本全体を森林にする。
北から来た人々は狩猟民族であったが、狩る動物がいなくなった後は森の中で採取する生活に移る。栗を育てることを憶え、長期間定住する縄文文化が繁栄する。
そこに黒潮に乗って南からやってきた人々が現れる。彼らは稲作と、その生産のための管理技術や共同作業を縄文人に伝える。
稲作により長く安定して続いていた縄文時代だったが、その頃大陸では血で血を洗う春秋戦国時代が始まっていた。
戦禍を逃れて新天地を求め、渡来人が日本に上陸して来る。気性の荒い彼らは優れた技術とともに、人と人が戦うことも伝えた。西日本はたちまち渡来人に席巻されることになるが、濃尾平野より東には広大な森林に阻まれて進出することが難しかった。それが幸いした。
その後、縄文人と渡来人は戦って滅ぼし合うのではなく、森で生きる術と稲を作る術を交換し合い、人種としても混じり合って共栄の道を歩み始めたのだ。
和を尊び、忍耐強く、他の文化も柔軟に受け入れる日本人。
それは我々がそんな彼らの子孫だからだ。
もしアメリカのように渡来人が先住民である縄文人を滅ぼしていたら、おそらく今の日本の繁栄はなかっただろう。
日本人が戦うことを放棄して平和に生きようと決めたのは、何もつい50年前の戦争が終わったときではなく、遙か3,000年前のことだったのである。
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