「時尼に関する覚え書」
「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」 のストーリーを初めて聞いた時、この話は、「時尼に関する覚え書」のパクリではないかと思った。
梶尾真治と言う日本のSF作家の短編である。時間軸が違う世界に生きている二人の恋愛の話で、男と女は片方が歳を取れば片方は若くなると言う設定は「ベンジャミン」と同じである。
ただ、「ベンジャミン」の設定は年寄りで生まれて赤ん坊で死ぬように逆に変化する、一種の肉体の病気と言うか奇形であることに対して、「時尼」の方は、二人が生きている時間軸が違うと言う設定なのだ。
つまり、男にとっての未来は、女にとっての過去であり、女にとっての未来は男にとっての過去である、と言う二人の関係が描かれている。
だから、今は二人が恋愛の真っ直中でも、1年後に再会したときには、相手はまだ自分のことを知らないと言う状態になるのだ。そういう状況の中での二人の愛の未来、即ちそれは過去は? と言う話し。
「時尼に関する覚え書」は、とてもロマンチックな作品であると同時に、「ベンジャミン」よりSF的な設定が冴える作品で、大好きである。
最初にこの作品が収録されていた短編集は今は絶版で、下記の傑作集に収録されているようだ。
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コメント
これ、タイトルからしてそそるなあ・・・。
いいこと聞いちゃいました。
ありがとうございます。
さっそく探してみますね。
投稿: pinoco | 2009年3月 4日 (水) 00時40分
>pinocoさん
この作品は「ジェニーの肖像」と言う小説が元で、それへのオマージュとしてヒロインの名前が「時尼(じにい」)」となっているようです。
探さなくても上のamazonリンクをぽちっとして頂ければ・・・^^;お買い上げ~~
投稿: TODO | 2009年3月 4日 (水) 07時57分