「の・ようなもの」
この映画を初めて見たのは偶然にTVでだったが、「日本にこんな新鮮な映画があるんだ」と感じたのを憶えている。
これ、実は大好きな映画なのだ。
昨日横浜で立ち寄ったDVD屋で出ているのを見つけて、一も二もなく買った。
森田芳光監督のデビュー作で1981年の作品。話の内容は売れない若手落語家と、ソープ譲や落研の女子高生達との青春群像と言うところ。
一見一つ一つは無意味でナンセンスなエピソードがばらまかれているようでいて、でも全体としては不思議と一つにまとまってて、何だか知らないけどちょっとロマンチックで人間くさくて暖かい、森田ワールドの真髄が、デビュー作にして既にここにある。
前に見たときは、彼女とその父親に落語の下手さを指摘されて落ち込んだ主人公が、夜明けの町を歩いて帰るシーンがとても印象的だった。
今日久しぶりに見たら、そのシーンはもちろん秀逸だが、ラストシーンがすごく良いと思った。この映画のテーマがここに凝縮されていると言ってもいい。
ビヤガーデンを借り切っての先輩の真打ち昇進祝い。大騒ぎが終わって皆が帰った後でも残って話してるやつ、寝てしまってるやつ。
若いときはこんな馬鹿やったよなあ。って誰もが懐かしくなるようなーンだ。森田監督の青春への愛が感じられる。
の・ようなもの 秋吉久美子 森田芳光 伊藤克信 角川エンタテインメント 2006-10-20 by G-Tools |
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