「いちげんさん」
ちょっと疲れた気分の時には、安らげる映画を見たいと思ってGYAOで見たら、まさしくその通りの映画だった。
京都の大学に留学しているスイス人留学生が、旧家に住む盲目の女性に本を読んで聞かせる対面朗読のボランティアを始める。京都を舞台にしたラブストーリーである。
しっとりとして、静かで、清楚な雰囲気の映画だ。
原作者はスイス人で文学賞を受賞した作家とのことだが、そのせいか全体的に文芸的な雰囲気も漂っている。
冒頭の彼のモノローグから。
古いしきたりや人間関係が残る京都の町は、部外者である僕を優しく迎え入れながら、その懐深くまでは決して進入を許さない頑なさを持っている。それは「いちげんさん」を断る老舗の姿勢と同じであり、表紙や扉までは見せても中身は決して見せない古本みたいなものだ
私は外国人の目から日本を深く理解し、それを秀逸な表現で描いた映画として「ラストサムライ」と同種類の映画でもあると思った。
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