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2006年11月23日 (木)

ホワイトカラーエグゼンプション

というものをお聞きになったことがあるだろうか?

リンク: ホワイトカラーエグゼンプション - Wikipedia

年収400万円以上とか言うある程度の条件はあるにせよ、一言で言えば残業や残業手当と言うものの概念を廃止してしまおうと言うことだ。

経団連が提案して政府はそれを取り上げる方向で動いている。

この提案の背景には二つの側面がある。

一つは現行の労働基準法の考え方が、今の労働の実態に合わなくなってきていると言うこと。

労基法の考え方の基本は、「働いた時間の分だけ金を支払いなさい」と言うことだ。

極端な例を挙げれば、能力のない人が能力のある人よりも長い時間かけて同じことをした場合、能力のない人の方に多く報酬を支払いなさいと言うことなのだ。

そういうことが成果主義の今の時代にいかに合わないかは自明である。時代の要請に応えた形で、労働基準法の考え方を変えて、企業も労働者も働きやすく、納得のできる報酬を得られるようにしましょう。

と言うのが一つの側面。

そしてもう一つの側面は、経団連の都合、実はこれが本音じゃね? と言う部分。

厚労省の指揮のもと、各地の労働基準監督署がサービス残業の摘発に非常に力を入れ始めて、今までの不払い残業に対して何億と言う遡及支払いをしたと言う話が良く聞かれるようになった。

企業の側の損害はたまったものではない。「サービス残業」怖い。だから、それをうまいこと合法化してしまう方法はないものか? 経団連はそう考えたのだろう。

政府も経団連の言うことを無視できないのは分かる。だがちょっと待って欲しい。

労働時間短縮、過労死を防いで健康的で明るい生活、ワークシェアリングによる雇用の創出。

今まで政府は確かそういうことを言っていたよね?

「できるだけ残業しないだ早く帰りましょう」

このことは人間らしい生活のために良いことだと私は思っている。

それを企業に推進させるために、今までの労働基準法は役立ってきたし、サービス残業に対して厳しく対応してきたのではないか?

でもこのホワイトカラーエグゼンプションが導入されたらどうなるか?

社員がどんなに遅くまで残って仕事をしていても、会社は痛くも痒くもない。

長時間働く社員こそが会社に最も貢献している社員と言う価値観に180度転換することになる。

過労死防止は? ワークシェアリングは? どこに行ったのだろう?

ホワイトカラーエグゼンプションは、カタカナで書かれていることから分かるように、例によってアメリカ生まれの制度だ。

しかしアメリカ人と日本人では労働に対する考え方が違うのだ。

おりしも今日は勤労感謝の日。

その定義には、「勤労を尊び・・・」とある。

日本人の遺伝子には、「人一倍働くことは美徳」と刷り込まれているのだ。

そんな日本人に導入するホワイトカラーエグゼンプション。

私は非常に危険だと感じるのである。

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コメント

僕はもう~これ以上働けましぇぇ~~ん(笑)
経団連さんにしても政府さんにしても、大企業しか頭になく、
中小企業や零細企業の現在の労働者の状況など、把握していないでしょう。
しかし難しいと思うなぁ~・・・
新しい制度を導入しても、こっちを立てればあっちが立たず・・・
一くくりにすること事態、無理のような気がしますね~。

投稿: salmon | 2006年11月23日 (木) 17時46分

>サーモンさん

そうそう。経団連は大企業の町内会ですからね。(笑)
あちらを立てればこちらが立たず。ってのはまさしくその通りだと思います。
一括りにすることは確かに難しい。じゃあ一括りにしない法律ってのはあり得るのか?・・・むむむ。
酒を飲みながら考えるにはちょっと重すぎるようです。(笑)

投稿: TODO | 2006年11月23日 (木) 23時46分

もう・・
これもそうだし、パート待遇のこともそうだし、有期契約や派遣問題・・なんだか山積みなんだけど、いくら手を入れてもどっかおかしい。
いろんな事、一度きちんと形になってきてから、新しい方向性を探ればいいと思うけど、中途半端なまままた思いつきであれこれ言い出すから、みんなが安心して働けないし、働かせることができないという悪循環みたいな気がする。

投稿: | 2006年11月26日 (日) 13時24分

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