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2006年3月 1日 (水)

雨の独身寮

雨の中、ちょっと調査の必要があって廃止が決まっている会社の独身寮に行ってきた。
この寮は、老朽化と寮生の減少のため、廃止が決定しているのだ。

寮母さんは昨年辞めており、それ以後ここを訪れるのは初めてだ。
調査を終わって帰ろうとしてふと見ると、玄関の靴箱の上に、小さな瀬戸物の人形がいくつかきちんと横一列に並べて飾られていた。

以前来た時には、確かこんなものは無かった。
きっと、几帳面な寮母さんが、最後にちょっと遊び心で飾っていったのだろう。

それを見ていたら、ふと寂しさがこみ上げて来た。
私自身は寮に入居していたことはないのだが、入社以来何度も酒を飲んで終電を逃してはここに転がり込んだ。
大部屋で車座になって飲んだことや、二日酔いでの朝帰り。
いつの間にかもうすっかりそんなこともしなくなっていた。

こっちも歳取ったが、会社も建物も古くさくなったものだ。
しんと静まりかえった独身寮の食堂をぼんやりと眺めていたら、賑わっていた頃が瞼に蘇ってきた。

実は、この寮の廃止を提案したのはこの私だ。
コストダウン、会社のため。
それは確かに間違っていないだろう。

でも何か、自分は間違ったことをしているのではないかと、ふと思った。

もう一度、この寮をきちんと直してきれいにして、若い人をたくさん採用して、賑やかに楽しくできないものか。
それをすることが、本当の私の仕事なんじゃないのか。と。

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コメント

TODOさんの辛い気持ちもわかりますが、廃止するという選択は間違ってないと思います。
最近の若者は個人のスペースを大事にしますし、共有する所の多い寮生活を敬遠する傾向にあるようですよね。
僕は寮生活の経験があるのですが、同じ立場の仲間と一緒に生活することって本当は大事なことなんですよ。その時の経験が僕の人格を形成したと言ってもいいくらいです。でも時代に流れには逆らえません。

投稿: salmon | 2006年3月 2日 (木) 08時47分

気持ちはとってもよくわかるな。でも、それが老いるということかもね。私も「あの頃は…」なんて若い保育士さんに云ったりするけど、きっと解ってはもらえないとおもいます。行雲流水すべてはとどまることなく流れてゆくものなんだろうな、って思います。自分にとって良い思い出はきっと、そこにだけあるもので、それはそのまま静かに朽ちて行くのが1番良いのかもね。思い出が多くなるだけ歳をとった、ということなんでしょうね。うう…春なのに晩秋の物思いみたいね。少しお疲れさんですか?

投稿: ねこまんま | 2006年3月 2日 (木) 16時49分

>サーモンさん

確かにその傾向はありますね。
でも私自身も仕事とプライベートは分けたい方だから、若い人の気持ちも分かります。

確かに時代の流れはありますねえ。
某巨大電機メーカーの立派な寮が廃止になったのを何カ所も見ています。

>ねこまんまさん

ほんとに秋みたいな雰囲気ですな。(笑)
と言うことで、そろそろご自分のブログいかがですか? 春は新しいこと始めるのにいい季節でっせ。

投稿: TODO | 2006年3月 2日 (木) 21時31分

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