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2005年7月31日 (日)

宇宙戦争

いやー怖かった。すごかった。

スピルバーグの異星人ものと言えば言うまでもなく「未知との遭遇」と「ET」だが、この映画はそのどちらよりも、何に近いかと言えば「プライベートライアン」に近いと思った。ちょっと「ジュラシックパーク」の味付けも有りの。

目の前に迫り来る恐怖が、あくまでも1個人の視点で描かれる。その徹底ぶりが極限のリアリティを生む。
逃げまどう群衆に容赦なく降り注ぐ光線。手持ちカメラでその中を縫うように撮影している。この手法は、あのノルマンジー上陸のシーンと同じである。

初期の「激突」や「ジョーズ」で既に開花していたように、この人の真骨頂はこの徹底してリアルな恐怖だ。
しかし、今の時期こんな映画ここまで作っちゃっていいのかね?

9.11以後、アメリカ人はいつ何時どこからか誰かに襲われ、家族を奪われるかも知れないと言う危機感に潜在意識レベルで怯えているはずだ。今この映画をアメリカで上映するのは、戦後わずか10年後の原爆の記憶がまだ生々しい時期にあの「ゴジラ」を日本で上映したことに似ているように思う。

しかもスピルバーグは、タブーであったはずの旅客機墜落まであんなにリアルに描いてしまった。
何でもこのために747買って壊したのだとか。
いいのか? そこまでやって。全米国民敵に回してないか?

それともこれがエンタテイメントとして許されるほど、今のアメリカはその恐怖を忘れたのか? ゴジラが生まれた時の日本と同じように。

上映中は、ただ目の前のハラハラドキドキで息もつけないだけだったが、見終わって冷静に振り返ると、そんなことを考えさせられた映画だった。

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